リハビリテーション科
- リハビリテーション(rehabilitation)の語源はラテン語で、re(再び)habilis(適した状態)にすることされています。
- WHO(世界保健機構)はリハビリテーションを「能力低下やその状態を改善し、障がい者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは障がい者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障がい者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。そして、障がい者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会がリハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない」と定義しています。
- リハビリテーション科では、当院の理念である良質で高度な医療を提供しながら、病気やケガの症状改善を目指し、よりよい生活が送れるよう援助していきます。
- リハビリテーションに携わる職種として、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が勤務しており、患者さん中心の包括的なリハビリテーションを実践しています。近年は早期回復を目指して手術前や手術後早期からの取り組みや、病院内の他部門と協力してチーム医療の推進を行っています。
- 理学療法士13名、作業療法士4名、言語聴覚士3名、助手1名が勤務しています。
- (H29年9月1日現在)
認定資格は以下の通りです。
- 専門療法士:(運動器)1名
- 認定理学療法士:(脳卒中)3名、(呼吸)2名、(循環器)1名、(運動器)1名、(スポーツ)1名
- 3学会呼吸療法認定士:3名
- 心臓リハビリテーション指導士:2名
- 糖尿病療養指導士:2名
- 褥瘡学会認定師:1名
- がんリハ研修終了:PT5名、OT2名、ST1名
- 急性期や術前術後早期を主体とした医療に貢献します。
- 患者さんとの対話を大切にします。
- 知識や技術の向上に努め、最良のサービスを提供します。
- 他病院や施設との連携強化に努め、シームレスは医療提供に貢献します。
- 患者さんの個別性を尊重し、生活の質(QOL)の向上をサポートします。
- 上記のように早期離床を積極的に進めることにより、回復期・維持期への移行をスムーズに行うことで地域完結型医療を目指しています。
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)・脳血管リハビリテーション(Ⅱ)・呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)・心大血管リハビリテーション(Ⅰ)・がんリハビリテーションの施設基準を取得しております。
■診療概要
【 場所 】
- 1階4ブロック(耳鼻科・小児科)と血液検査室の間にあります。
【 診察時間 】
- 月~金/8:30~12:00(受付は11:00まで)(外来診療のみ)
- 月~金/13:00~17:00(入院診療のみ)
回診やカンファレンスにも参加して、1日も早い回復を目指して多職種で介入しています。
脳神経外科ラウンド 整形外科ラウンド
内科ラウンド 循環器内科カンファレンス
■理学療法(PT)
理学療法とは、「身体に障がいのある方に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、および電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されています。
運動器部門
整形外科疾患が主ですが、外傷による骨折や脊椎・脊髄損傷、関節症、切断などの患者さんの理学療法を担当します。術前の廃用症候群の予防および術後翌日から理学療法を開始して車いすへの移乗や荷重(体重をかけること)許可の範囲で歩行練習を進めていきます。
地域連携の一環として大腿骨近位部骨折パスを活用しながら、情報の相互提供を行ったり、定期的な会合を開いたりしております。
脳血管部門
脳血管障害(脳出血や脳梗塞)や脳腫瘍の術前・術後の理学療法を担当します。意識の状態や血圧管理等のリスク管理を行いながら早期離床を実施しています。また、重度の麻痺がある場合でも、歩行補助具を使用し積極的な歩行練習を行っています。
地域連携の一環として脳卒中パスを活用しながら、情報の相互提供を行ったり、定期的な会合を開いたりしております。
救急・外科部門
救急病棟在室中の重症患者さん・緊急手術を受けられた患者さんの早期理学療法、ならびに外科病棟にて消化器・呼吸器・乳線などの手術を受けられる患者さんの術前・術後の理学療法を担当します。医師はもとより、3学会合同呼吸療法認定士資格を有する理学療法士、看護師、臨床工学士が相互に連携を取り、質の高いサービスの提供を目指しています。
心大血管・内科部門
循環器内科では、主に心不全などの心臓病によって体力や運動機能が低下した患者さんの理学療法を行います。必要以上の安静は全身の体力低下を引き起こしてしまい、逆に過剰な身体活動は心臓に負担がかかりすぎてしまいます。心臓リハビリテーションでは、患者さんの運動耐容能や生活機能向上を目的に、一人一人の患者さんの病態を評価し、心拍数や酸素飽和度などを確認しながら、一人一人のレベルに応じた運動プログラムを設定して取り組んでいます。
内科では、主に消化器疾患、肺炎、低活動状態などによって体力や運動機能が低下してしまい、フレイル(虚弱)となってしまった患者さんの生活機能向上を目的に運動療法に取り組んでいます。
がん部門
がんのリハビリはがんと診断されてから起こるいろいろな症状、手術療法、化学療法、放射線療法等による身体症状にあわせ、運動療法や生活機能の低下に対する予防・改善等を目標として、患者さん及び家族の生活の質の向上のために必要なリハビリテーションを行います。
■作業療法(OT)
作業療法とは、「身体・精神の障がいのある方に対し、主として、その応用的動作または社会適応力の回復を図ること」を言います。
当院では、脳血管障害・運動器作業療法を中心に介入しています。
脳血管作業療法では、早期離床を促し、日常生活動作(食事・排泄・更衣・整容動作練習を中心に実施)・手段的日常生活動作(調理練習などの家事全般練習)の向上を目指し実施します。
高次脳機能障害においては、運転や仕事復帰等に向けて、詳しい検査を行い高次脳機能の向上を目指し行っています。
運動器作業療法では、手の外科を中心に装具療法を活用し、手の機能の向上を目指していいます。
脳血管・運動器に関わらず、上肢機能検査を行い、上肢機能向上を目指します。
■言語聴覚療法(ST)
言語聴覚療法とは、「主として言語機能や聴覚機能が低下しコミュニケーションに問題が生じた方や摂食・嚥下機能に障がいがある方に対し、機能の回復、能力の向上、維持を目的とし各種検査、評価、指導および助言を行うこと」をいいます。
当院では、摂食・嚥下機能の低下が見られる患者さんに対し、早期より嚥下機能評価を実施し、経口摂取に向けて訓練・指導を行っています。また、言語機能の低下がみられる患者さんに対しても各種評価や訓練・指導を行い、コミュニケーション活動の促進を図っています。
■当院では理学療法学科の実習生受け入れも行っております
【 長期実習 】
- 帝京大学福岡医療技術専門学校
- 柳川リハビリテーション学院
- 久留米リハビリテーション学院
【 短期実習 】
- 帝京大学福岡医療技術専門学校
- 柳川リハビリテーション学院
スタッフ一同、一日も早い回復に向けて日々治療技術、接遇向上に取り組んでまいります。