地方独立行政法人 大牟田市立病院|ちょっとためになるお話

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メディカルパティオ

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ちょっとためになるお話

メディカル・パティオ(Medical Patio)は、最近の医療の動向や、新聞・テレビなどで話題になったことなどを、簡単に解説したものです。随時更新していきますので、気楽にお読み下さい。

腫瘍外科:津福 達二

癌の終末期医療消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌)、乳癌の治療をしていると、少なからず切除不能な患者や転移再発を来たした患者さんに遭遇する。

終末期医療を考えるにあたり、食道癌、胃癌は切除不能・再発の場合比較的速く終末期になるが、大腸癌、乳癌は切除不能・再発であっても薬物療法の発達により本当の意味での終末期になりにくい。担癌状態で2年、3年と化学療法を続けながら普通に日常生活を送っている状態を終末期と言えるだろうか。

癌の状態としては根治不能=末期と考えるが、生命に関しては末期ではない。
治療法の発達、とりわけ薬物療法の発達で終末期の判断が難しくなっている。

このようは現状を考えると、治療中から緩和治療を積極的に行ない少しでもQOLを高く保つようにすることが大切と考える。癌による疼痛対策は言うまでもないが、化学療法による副作用対策も十分に行いながら治療にあたる必要がある。
大腸癌、乳癌の患者さんとは、もう治らないと告知した後、数年間付き合って行かないといけない。
患者さんに「治療して長く生きていれば新しい薬が出て治療法が増える」と励ますこともある。

ただ、治療により予後が延長しているのは事実だが、根治不能=死期が近い、を意味することに違いはない。
治療経過中いつかは必ず悪くなる時期が来る。本当の意味での終末期に入ることになる。

症状緩和のために病院に入院することが多いが、多くの患者さんは自宅に帰りたいと訴える。しかし、在宅で終末期を迎えることは家族の協力がないと難しい。家族にとって終末期の在宅には、家族のうち誰かが仕事を休み24時間付きっきりで介護しないといけない、長引くと疲弊して自分達の生活が成り立たなくなる、などのイメージがある。

当院では患者さんの希望を叶えるために、地域の医療機関や看護サービス、薬局サービスなどと連携して終末期在宅ケアへの移行の手助けを行っている。退院前に家族と十分に話しあうことで、医療面からのサポートは問題なく受けられ、バックアップ病院も確保されていることを認識してもらっている。
うまく在宅に移行できた患者さん、家族は終末期を自宅で過ごせたことに満足されることが多い。
しかし、家族の協力、犠牲があることに変わりはない。

終末期に入れるホスピスが絶対的に足りない現状では、病院で最後を迎えることが多いと思う。
患者さん、家族にとって最後に満足してもらえる病院でありたいと思う。
(※本原稿は、勤務医のつどいvol.48「終末期医療を考える」掲載原稿を一部変更したものです。)

■外来診療部門